去る５月28日、皆様からご要望の多かったセミナー付き高齢者施設見学会を実施致しました。
今回、見学に訪れたのは、2014年度「週刊ダイアモンド誌『介護型老人ホームランキング１位』」に輝いた、千葉県浦安市にある舞浜倶楽部さんです。

第一部・セミナー　～お試しステイは必須 

去る５月28日、皆様からご要望の多かったセミナー付き高齢者施設見学会を実施致しました。
今回、見学に訪れたのは、2014年度「週刊ダイアモンド誌『介護型老人ホームランキング１位』」に輝いた、千葉県浦安市にある舞浜倶楽部さんです。

～第一部・セミナー～　 お試しステイは必須
私たち「らしさ」には、数多くある高齢者施設の中から、何を基準に施設を選べば良いのか？　その場合の費用は、どれくらいかかるのか？　といったご相談が多く寄せられています。今回は皆様のご要望に応える形で、らしさ副理事長・中田実千代氏による「高齢期の住まい選び」と題してセミナーを実施致しました。
　主な内容としては、介護施設の種類や入居条件、施設ごとにどれくらいの費用が掛かるかなどです。
施設を選ぶポイントとしては、費用だけに注目するのではなく、介護状態に見合ったサービスを提供しているか？　立地的条件で譲れないポイントは何か？　といったことを見極めていくことが大切とのことでした。
施設を選ぶタイミングは、介護が必要になった「その時」ではなく、自分が元気なうちに目で見て感じられるうちに施設を体験することが、失敗しない施設選びの第一歩。入居を検討する場合には資料を取り寄せるだけでなく、実際に施設に出向き、お試しステイをすることが必須になるようです。

第二部・館内見学＆体験会～ 入居者の笑顔がすべてを語る
セミナーの後は、施設見学とプログラムの体験会でした。まずは皆様お楽しみのランチタイムからスタート。
舞浜倶楽部では、見学者も入居者と同じ食事を試すことができるのが大きな特徴です。メニューは毎月見直され季節ごとの食材を使ったものが提供されているとのこと。
高齢者施設の場合、プラスチック製の食器を使うところが少なくないのですが、舞浜倶楽部では陶器を使用。味もしっかりしていて、高齢者施設とは思えない内容でした。これなら充実した食生活が送れそうと、参加者の方々が口々に仰っていました。
館内見学では、メインに共有施設を見学させて頂きました。
舞浜倶楽部には認知症の方が多く入居されているようですが、入居者の方々はとても落ち着かれていて、挨拶をすると笑顔で挨拶を返して下さいました。これは入居者の方々が安心して暮らしていることを表しているのではないでしょうか。
各スペースは清潔感にあふれ、スタッフと入居者の方がスムーズにコミュニケーションを図れるような工夫も各所に施されています。

スウェーデン緩和ケアで、うっとり体験?
舞浜倶楽部の最大の特徴としては、スウェーデン生まれの音楽ケアである「ブンネ・メソッド」とタッチケアの「タクティールケア」を導入していること。いずれも認知症の緩和ケアです。今回は特別に、これらの２つの体験をさせて頂きました。
「ブンネ・メソッド」は、誰でも弾けるギターと単音フルートなどの複数の楽器をあわせて合奏するというもの。記憶トレーニングや発声能力の改善のために導入されています。
参加者は全員、初めての体験でしたが、スタッフの方の指導の下、すぐに楽しむことができました。入居者の方々もブンネの合奏が楽しみなようで、入居者の８割強の方々が毎週定期的に行われているセッションを楽しまれているそうです。

「タクティールケア」は、肌と肌との触れ合いによるコミュニケーションツール。痛みの緩和や睡眠の改善などのさまざまな効果があるケアです。
舞浜倶楽部では、ケアプランに組み込んでおり、緩和ケアとして日常的に実践しています。私たちも実際に体験をしましたが、「本当に気持ちが良い」「癒された」「「リフレッシュできた」といった声をお聞きしました。

舞浜倶楽部のキャッチフレーズは、「親孝行のお手伝い。」
館内見学の合間に入居者のご家族の方々ともお会いする機会がありましたが、ご家族の皆さんが他の入居者のご家族ともお知り合いのようで、積極的にコミュニケーションされている光景を何度か目にしました。

この施設には、入居者のご家族同士が積極的にコミュニケーションを取ることのできる雰囲気が確立されているのだと感じました。
お金をかければ綺麗な施設や充実した施設に入居できることは可能です。しかしながら、入居者と家族が満足できるサービスを提供する施設に出逢うことは、簡単ではありません。
自由でリラックスできる空間こそが、最高の終の住まいになり得ると気付かされた一日になりました。

飯田道子（いいだ・みちこ　ら・し・さ正会員）