NPO法人ら・し・さとは
理事長からのご挨拶
戦後のベビーブームによる特異な人口構成が、日本における重要な課題として本格的に研究され始めてから、ほぼ30年になろうとしています。
その「団塊の世代」はすでに65歳以上となり、我が国の高齢化率は26%となっています。高齢化率の上昇によって、年金・医療・介護・住まい・相続などさまざまな問題が起こり、それらは私たち個々の問題ばかりでなく、日本全体で見たときには、国の財政の不均衡など、次世代にまで影響を及ぼす息の長い問題となっています。
NPO法人ら・し・さは、このような課題を見越して、平成15年に創設されました。その根底にある理念は、「それぞれの人が、その人“らしさ”を失わずに、納得のゆく人生を送るにはどうしたらよいかを追求する」ということです。そして「人生の後半期を楽しく充実して暮らすためのお手伝い、および生活設計におけるさまざまな心配事に対して情報提供や相談、実行支援を行う」ことを活動目的としております。
そのための活動のひとつとして、平成16年にエンディング・ノートの草分けとなる『ラスト・プランニングノート』(注:平成27年8月に『ら・し・さノート®』に改称、以下、「ノート」という)を発行しました。ノートに人生の、過去、現在そして未来を書くことで、その人の人的・物的財産を次世代にスムーズに引き継ぐことと、これからの人生を充実したものにすることができることを伝えています。
平成20年には、ノートを書くにあたっての周辺知識をわかりやすく解説した『ラスト・プランニングノート活用ガイド』(注:平成27年8月に『ら・し・さノート®活用ガイド』と改称)を発行しました。
さらに平成24年には、知的障がいの子をもつ親がノートを書くにあたって参考となる『親亡きあとの支援ハンドブック~知的障がいの子を持つ親のために』を発行し、知的障がい者のライフプランと財産管理という新しい分野を開拓いたしました。
ノートを書くという行為を通じて、一人ひとりが「自立」し「自分の人生を設計する」ことによって将来の不安を解消できるものと考えております。そして、その啓発運動が私たちに与えられた社会貢献活動と考えています。
NPO法人ら・し・さは、今後とも、皆さまのお役にたてるよう、さまざまなイベントの企画・運営、情報やツールの提供により、時代を先取りした社会公益活動を展開する所存です。当法人の理念と活動にご支援とご協力をお願いしまして、ご挨拶とさせていただきます。
平成26年(2014年)7月23日
理事長 若色 信悟